去る2012年5月中旬、千葉県北西部の5市(36万戸)はじめ1都4県(茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都)に及ぶ取水停止、断水となるという事故がありました。
原因は埼玉県の、ある化学工場から排出された廃液の中に含まれていた化学物質ヘキサメチレンテトラミン(HMT)にあったそうです。これが廃液中で塩素と化学反応することで毒性の強いホルムアルデヒドを発生させて、このホルムアルデヒドが利根川を水源とする浄水場で基準値を上回るほど大量に検出されたそうです。
※ヘキサメチレンテトラミン(HMT)…化学式:C6H12N4
特徴:無色で光沢のある結晶もしくは白色結晶性の粉末 用途:医療において、膀胱炎、尿路感染症、腎盂腎炎の治療用として使われ、また、合成ゴム、合成樹脂の製造工程で、硬化剤としても使われている。
※ホルムアルデヒド…化学式:CH2O
特徴:刺激臭を持つ無色の気体 用途:有機化合物の一種で、接着剤、塗料、防腐剤などの成分の一つとして使われている。